構造主義を刑法学に持ち込む
たとえば警察官の点数稼ぎなどで犯罪は増減します。統計を用いることで科学的・実証的な刑法学研究を遂行する際、複雑な警察組織の構造を複雑なままモデル化する研究方法を、筆者は「刑法ストラクチャ理論」と名付けました。警察官のインセンティブ設計によって統計力学的に現実のデータが歪むことを考えるという意味で、構造主義を刑法学に持ち込む研究方法でもあります。
警察組織のテンプラチャ
未逮捕の仮想犯罪者X(例 地下鉄サリン事件当日の松本智津夫元死刑囚)に対して警察組織内で温度感が高まることで、Xの周辺で犯罪数が膨張することを、不可逆変化としてエントロピーが増大していくことと捉えつつ、熱力学的平衡状態(警察組織の怒りが概ね一定のままX未逮捕である状態)になる条件式を実証していく。
実際に起きていた犯罪の数、警察官の動員されている数と平均時間の長さ
またX逮捕を「爆発」と捉えることで、エネルギー状態の微分方程式を実証していく。